【本】『最軽量のマネジメント』 /サイボウズ取締役 山田理

どのマネージャも忙しそうにしている。何がそんなに忙しくしているのか、マネージャの仕事を減らすための工夫を知りたくて読んだ。

本の情報

タイトル  最軽量のマネジメント                          
著者サイボウズ取締役 山田理
執筆山田理
出版社サイボウズ式 ブックス
発行年2019年11月
定価1,400円
ページ数266ページ

要約 & ポイント

  1. サイボウズも離職率28%でブラック企業の時代があった。
    • 十数年前は、完全至上主義で、「Up or Out」
    • そしたら業績も下方修正、株価も大暴落
    • 良い会社を作るはずが内部から崩壊
  2. よい会社を作り直すために。
    • 現場の状況を知るために雑談、本音を言えない&すべてを言えない人もいるから全員と話すことが重要
    • 100人100通りの自立・働き方。勤務制度も100人100通り。
    • サイボウズでは副業とは言わず、複業と言うらしい。
    • 従業員の給与は、市場価値で決まる。年功序列は存在しない。
  3. 最軽量のマネジメント
    • 従来のマネジメントって、部下から情報を吸い上げて判断する。もしくは部下に指示と情報を与える。でも上司も部下も知りたい情報は何かが分からない。
    • だから情報を徹底公開する。
    • 例えば、経理申請や経営会議ですら公開する。
      プロジェクト管理、進捗、個人の目標、給与交渉の過程
    • すべての情報を公開していれば、社員がいつでも情報を取りに行ける。
      マネージャが展開しなかったからということにはならない。
  4. ではマネージャの仕事は?
    • マネージャには説明責任
      情報に対する説明責任がある。
    • メンバには質問責任
      マネージャはメンバが分からないことが分からないから、メンバは分からないことを聞く質問責任がある。
    • 説明責任と質問責任は公の場で。「公明正大な風土
      マネージャがしっかりと話を聞いてくれない、言っていることが違うとならないように、やりとりも皆が見ている場でする。

感想

 まずは、情報公開について振り返りたい。ピラミッド型の組織を考えると、通常はマネージャは経営層とメンバの板挟みになって、トップとボトム間の情報を繋ぎ、部下の不満に対しても聞いて解消していかなければならない。この本を読んで、情報を徹底的に公開することで、情報は直ぐに社員全員に共有できるので、あとはマネージャは説明をしっかりとすればいいのだということが分かった。情報が公開できる仕組みがあると、部下の困りごとも共有されれば、マネージャだけが解決するのではなくて、その情報を見た人が解決に参加できる仕組みにもなる。

 次に、情報公開の実現性についてだが、組織構造を変えなくても、情報の徹底公開はできる。組織における縦方向(上司と部下)の情報は、組織をフラットにするだけで楽になるのだが、多くの機能や役割を持つ組織の場合、しかたなく巨大なピラミッド構造になってしまうこともあると思う。しかし、情報の徹底公開は、経営層やマネージャの意思次第で決定できる。あとは公開することによる効果を社員がどれだけ感じられるかによって、情報が公開されるかが変わるのではないだろうか。

おすすめ

【おすすめ度】 ★★★★☆

 さくっと読める量ですし、文章も読みやすいのでおススメです。

【こういうときに】 本来マネージャがやるべき仕事が出来ていない。時間が足りていない。
マネージャの役割が網羅されている本ではなくて、マネージャの無駄な仕事を減らすヒントとして。

コメント

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