グロービス経営大学院の学長である堀義人のハーバードビジネススクール時代からグロービス時代の経験や、そこから得られた想いや精神が書かれている本。
本の情報
タイトル | 創造と変革の志士たちへ |
著者 | グロービス経営大学院 |
執筆 | グロービス経営大学院学長 堀 義人 |
出版社 | PHP研究所 |
発行年 | 2009年 |
定価 | 1,500円 (税別) |
ページ数 | 222ページ |
要約 & ポイント
この本に込められた想い
- MBAで醸成するものは、「能力開発」「人的ネットワーク」「志」ということらしい。
- 下記引用箇所が分かりやすい。
「創造と変革の志士とは」、…(中略)
『創造と変革の志士たちへ』「はじめに」
現代という不確実性が高く不透明な時代に、世の中を想像し、変革できる力を持った人々を育成したいという思いから、グロービスが命名したものである。創造と変革の志士はグロービスにおいて、教育理念に従い、「能力開発」をし、「人的ネットワーク」を構築し、「志」を醸成することが期待されている。
「能力開発」で学ぶもの
- 下記3つに大別
- 知識・フレームワーク
知っていると知っていないでは全然違う、先人たちが築き上げた定石 - 考える力
どこでどのような分析をすればいいのか - 人間関係能力・伝える力
効果的に相手に伝えることや、やる気にさせる人間的な魅力
- 知識・フレームワーク
- 意思決定の要素
- 論理 + 直感 + 感情(EQ)
- これら3つが全て揃っていないと意思決定は成功しない
- 論理的には分かっていても感情的に前向きでないのならば成功しない
「志」を持つために
- 志を持った場合と持たない場合の成長の差は歴然
- 志は、自らの使命に帰着する
- 社会に貢献できて、自分自身がワクワクするもの
- 考え抜くこと「自分は何のために生きているのか」
- できればいいではなく、必ずやるというものを
- 志の醸成を邪魔するもの
- 頭の思考
- こうしなければという志向になり、本当に自分がやりたいことを見失うため
- 欲望
- 自己顕示欲、権利欲、金銭欲
- 頭の思考
- 信念の確立
- 考え抜く、仲間と議論する、自分自身を振り返るサイクルで、信念に。
人的ネットワーク
- 人的ネットワークは、「人間関係能力」の高い人が志を人に伝播することで構築する。
- 「人間関係能力」は、下記の3つに大別
- 人間力
- 自分の感情をまっすぐにそのまま表現できる人
- 名声や自分のためでなく、小善をコツコツできる人
- 感情は伝播するので、良い感情を身にまとうように普段から努力すること
- 伝える力
- やる気にさせる力
- 人間力
- 皆が納得する組織をつくる、人に組織を合わせる
- 顧客や従業員といったステークホルダが納得した組織にする
- 人的ネットワークの作り方
- 人流があるところに身を置く、無ければ人流を自ら作る
- そうすれば、良い縁を作ることが出来るだろう(悪縁からは離れる)
創造と変革
- 「創造と変革」は、勇気を持って行動すること
- 自ら考えて常識は疑え
志士に求められるマインド
- 試練を楽しむ姿勢が大事
- 成長するには、必ずそこに試練がある
- 世界観、歴史観、人生観、倫理観、使命感による気高い生き方
感想
グロービス経営大学院の学長のハーバードビジネススクール時代からグロービス時代の経験や、そこから得られた想いがたくさん書かれている。
MBAと聞くと、どのように金儲けをするのか?というイメージがあったが、
この本を読むと、時代の逆境を改革してきた明治の志士の話も出てきてとても壮大なので、
何のためにMBAを勉強するのか、何のために自分は生きているのかを考えさせられる。
また、グロービスのMBAは、単なる経営学を教えるための場ではなくて、
将来に志を持って社会に貢献するために必要な、「経営のフレームワークを学ぶ場」、「人的ネットワークを構築する場」、「志を醸成する場」を提供しているのだということが分かった。
おすすめ
【おすすめ度】 ★★★★☆
【こういうときに】 グロービスではどういう理念化ということも触れられているので、グロービス受講を考えている人に向いている。また、企業人からグロービスを創設した起業家としての精神を学べる。
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